FUNDINNOで資金調達した話。その1

自己破産後に1年で融資を受けた私ですが、実は今の事業を立ち上げるにあたり、別の資金調達を同時並行していました。それが

投資型クラウドファンディング
それが最近、株式上場した『FUNDINNO』です。
日本でのこの資金調達方法を知っている人はまだかなり少ないと思いますし、実際に調達をした経験がある社長が、記事を書くという事も少ないのではないかなと思いました。

日本で有名なのはクラウドファウンディングといえば『Makuake』『Campfire』などが有名ですよね。
『Makuake』『Campfire』は購入寄付型クラウドファウンディングであり、FUNDINNOはECF(株式投資型クラウドファウンディングです。

新規事業立ち上げというのは、『ゼロイチ』であって、『銀行借入』デットファイナンスでは足りないことが往々にしてあります。
私は2回起業していますが、1回目は1400万円、2回目の現会社は500万円。
どのくらいの事業規模を想定しているか。ですが、その額では足りないんですよね。
特に私は、『国際特許』『イニシャルコスト』『開発費』『広告宣伝費』など費用がかかる計画だったので、『デットファイナンスでは到底足りない』という事が予想できていました。

この記事では、VCとの違い、銀行との違い、投資型クラウドファンディングの可能性、日本でまだ知られていない資金調達について、このあたりを実体験ベースで書いてみようと思います。

目次

起業家が最初に考える資金調達

事業をやるとき、最初に考えるのはお金です。当たり前です。夢があっても、理念があっても、資金がなければビジネスは進みません。

多くの起業家が最初に考えるのは、この3つです。

1 銀行融資

2 VC(ベンチャーキャピタル)

3 自己資金

これは王道です。私も当然この順番で考えました。ただ、実際に動いてみると、それぞれにメリットと限界があります。

銀行融資という選択肢

まず銀行です。

銀行融資のメリットは、株を渡さなくていいという点です。資本を渡さない。経営権を守れる。これは大きいです。

ただし、銀行は未来には貸さないのです。もちろん「創業融資」という制度があります。これは多くの起業家であればご存知でしょうし、起業するときに使う、いわば登竜門のようなものです。言葉を選ばずに書くと、比較的使いやすい融資ですね。これが通らないと、その事業自体がイエローカードかもしれません。

銀行(保証協会)や日本政策金融公庫が見ているのは、彼らが持っている膨大なデータベースです。最近ではAIも使っていると思います。まだ実績のない新規事業に対して、大型融資は基本的に厳しい。

では、プロダクト開発、マーケティング、海外展開などの攻めの資金はどうか。正直、銀行融資はあまり向いていません。

銀行は、守りの資金なんです。

VCという選択肢

次に、ベンチャーキャピタル。いわゆるVCです。

VCの最大のメリットはシンプルで、大きなお金が入る可能性があることです。

数千万、1億、場合によっては数億という規模の資金が入る可能性があります。これは銀行融資ではなかなか難しい世界です。

ただし、VCには明確な前提があります。それはIPO(株式上場)か、大型M&Aです。

VCは慈善事業ではありません。彼らは投資家であり、当然ですがリターンを取りに来る資本です。VCの裏にはLP(出資者)がいて、VCはファンドを組成し、その資金を運用しています。そしてファンドには期限があります。多くの場合、10年前後でファンドを回収しなければいけません。

(話は少し逸れますが、「意義のある事業を立ち上げたいから資金提供してくれる人を紹介してほしい。ただし株は渡したくない」という相談を受けたことがあります。スタートアップ界隈はいろいろな情報が飛び交っていますが、株式譲渡を伴わない資金提供は寄付です。そこは勘違いしないでほしい。エンジェル投資家はアホではありません。)

つまりVCは、投資した企業をIPOさせるか、高値で売却することでリターンを出す必要があります。

だからVCが重視するのは、急成長、大型市場、そしてスケールするビジネスモデルです。逆に言えば、どんなに良いビジネスでもVCのモデルに合わない事業というものは存在します。

これは良い悪いの話ではありません。単純にビジネスモデルの相性の問題です。

例えば、地域ビジネスや堅実に利益を出していく会社、成長スピードが緩やかな事業などは、必ずしもVCと相性が良いとは限りません。

だから私は、起業家がVCから資金調達すること自体を目的にするべきではないと思っています。VCはあくまで数ある資金調達手段の一つにすぎません。そして、すべての事業がVC型である必要もありません。

そしてもう一つ、起業家が理解しておくべき大きなポイントがあります。

それは、バリュエーション(企業価値)が安く見積もられる可能性があることです。

スタートアップの初期段階では実績が少ないため、企業価値が低く評価されるケースが多い。その結果、起業家は比較的多くの株式を手放すことになります。調達を重ねるたびに持株比率は薄まり、場合によっては創業者の影響力が小さくなることもあります。

これはVCが悪いという話ではありません。

資本の論理として、当然起こりうることです。

だからこそ起業家は、どのタイミングで、どの資金調達を使うのかを冷静に考える必要があります。

もう一つの資金調達

そこで出てくるのが投資型クラウドファンディングです。これは簡単に言うと、一般投資家から出資を募る仕組みです。代表的なプラットフォームが FUNDINNO(ファンディーノ) です。

日本で「クラウドファンディング」と聞くと、多くの人は Makuake や Campfire のようなサービスを思い浮かべると思います。これらは購入型クラウドファンディングで、商品を先に販売する仕組みです。しかし投資型クラウドファンディングは違います。株式を発行して出資を募る、つまり投資です。ここが従来のクラウドファンディングとの大きな違いです。

では、この仕組みの何が起業家にとってメリットなのか。まず一つは、株主が分散されることです。VCから出資を受ける場合、数社の投資家に株式が集中します。場合によっては大きな持株比率を渡すことになります。一方、投資型クラウドファンディングでは株主が数十人、場合によっては数百人に分散されます。そのため、持株比率の希釈を比較的抑えながら資金調達ができるという特徴があります。

もう一つは、バリュエーション(企業価値)を比較的高く評価してもらえる可能性があることです。ただし、これは魔法ではありません。起業家側にも準備が必要です。自分の事業を数字で語り、言語化し、ピッチとしてまとめる。そして損益計算書、貸借対照表、ランウェイなどの財務情報を整理し、自分の言葉で説明できることが必要になります。

投資型クラウドファンディングでは、VCのパートナーではなく一般投資家が判断します。だからこそ、起業家自身が事業をどれだけ明確に説明できるかが非常に重要になります。日本ではまだ知られていない

正直に言いますが、この仕組みは日本ではまだあまり知られていません。

理由はいくつかあります。

まず法律です。

投資型クラウドファンディングは金融商品取引法の規制を受けます。つまり金融商品として扱われるため、審査はかなり厳しい。どんな会社でも簡単にできるものではありません。

さらに、投資家側にも当然リスクがあります。株式投資ですから**元本保証はありません。**この点は普通のクラウドファンディングとは大きく違います。

そのため金融商品として慎重に扱われており、誰でも気軽に始められる仕組みではないのです。

ただ、逆に言えばこうも言えます。

審査を通った企業しか出てこない。

つまり一定の審査をクリアした企業だけがプロジェクトとして公開される仕組みになっています。

だから私は、この仕組みは日本ではまだ知られていないだけで、これから広がっていく資金調達方法の一つだと思っています。

私がすばらしいと思ったのはここです。

ファンディーノは株主が増えるという点です。普通のVCだと株主は数社です。しかし投資型クラウドファンディングだと、100人、200人、場合によっては300人という株主が生まれます。

これは単なる投資ではなく、コミュニティになる可能性があるということです。つまり株主が、顧客になり、応援者になり、拡散者になる。これはD2Cやプロダクトビジネスにとってかなり強い構造だと思いました。

では、なぜ私がファンディーノを選んだのか。理由は大きく3つあります。

まず一つ目は、VCの前に市場を作りたかったからです。VCは市場を見ます。しかし市場というのは、必ずしも最初から存在しているものではなく、作っていくものでもあります。ファンディーノは資金調達であると同時に、マーケットテストにもなります。投資家が「このプロダクトに出資したい」と思うかどうか。これはかなりリアルな市場評価だと思います。とはいえ、今軸足をおいているのはスリープテックなので、成長市場ではありますが。

二つ目は、コミュニティができることです。投資家がそのままユーザーになる。この構造はかなり面白い。応援してくれる株主がSNSで拡散してくれる。商品を買ってくれる。紹介してくれる。これはVC投資ではなかなか起きない現象です。

三つ目は、日本における新しい資金調達の形だと思ったことです。日本は資金調達の文化がまだ銀行中心です。しかし世界を見ると、資金調達の方法はどんどん増えています。クラウドファンディング、エクイティクラウドファンディング、トークン、コミュニティ投資など、いろいろな形があります。日本でもこれから確実に広がっていく分野だと思っています。

では実際にやってみてどうだったのか。結論から言うと、簡単ではありません。

まず審査があります。これがかなり厳しい。事業計画、財務、法務、すべてチェックされます。提出する資料も相当作り込みます。起業家としてかなり鍛えられるプロセスです。

ただ、それを乗り越えると見える景色は確実に変わります。

私は、日本の起業家はもっと資金調達を知るべきだと思っています。銀行しか知らない。VCしか知らない。これはもったいない。資金調達は戦略です。ビジネスモデルによって最適な方法は変わります。投資型クラウドファンディングは、その中の一つの武器だと思っています。

次回は、もう少しリアルな話を書こうと思います。テーマは**「ファンディーノ審査のリアル」**です。どんな資料が必要なのか。どこを見られるのか。落ちる会社の特徴は何なのか。このあたりをかなり具体的に書こうと思っています。起業家の方には参考になる内容になるはずです。

もし資金調達を考えている方がいたら、気軽に相談してください。最近、ファンディーノ関連の相談をよくもらいます。資金調達できるのか、審査を通るのか、事業計画をどう作ればいいのか。そういった話です。SNSや問い合わせフォームから連絡(このお問い合わせは情報をシェアさせていただくだけですので、費用はいただきません)をいただければ、私の経験をお話しできると思います。少しでも参考になれば嬉しいです。

次回予告

次回は、もう少しリアルな話を書こうと思います。テーマは 「ファンディーノ申し込みのリアル」 です。

投資型クラウドファンディングは、誰でもできる資金調達ではありません。実際にやってみてわかりましたが、審査はかなり厳しいです。

・どんな資料を求められるのか

・審査では何を見られるのか

・どんな会社が落ちるのか

このあたりを、実際に資金調達を経験した立場から書こうと思います。おそらくですが、起業家の方にはかなり参考になる内容になると思います。

ひさはち

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この記事を書いた人

40代男性 波瀾万丈な人生の前半を過ごした男。

20代で1回目の起業し17年間売上5億円以上の会社を経営してきましたが、円安により負債額3億円で経営破綻。 一旦は就職も考えましたが、自己破産申請中に再起業。現在は中小企業向けの財務コンサルティングをしつつ、新たなビジネスチャレンジをしています。これまでの波瀾万丈な経験を活かし、アントレプレナーとして頑張っています。
10年前に離婚し、別の女性と5年の内縁関係を過ごすも破局。
その後今の妻と再婚。自称2勝1敗一引分け。別居中の子供が2人
現在は自己破産しても一緒にいてくれる、優しく厳しい看護師の妻と愛犬と共に、破産者にしてはわりと充実した生活を送っています。
趣味はルアーフィッシング。最近はビッグベイトシーバスにどハマりしてます。あとは海外旅行。
特技は海外ドラマで覚えた英会話。

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